ラグビー日本代表には外国人選手が多い
2019ラグビーワールドカップ(日本大会)の日本代表選手は31人中15人が外国出身の選手でした(※うち9人は日本国籍を取得済)。
2019ラグビー日本代表の外国出身の選手たち
- トンガ…PR中島イシレリ(日本国籍)、PRヴァル アサエリ愛(日本国籍)、LOヘル ウヴェ(日本国籍)、No8アマナキ・レレイ・マフィ、WTBアタアタ・モエアキオラ
- ニュージーランド…LOトンプソン ルーク(日本国籍)、FLツイ ヘンドリック(日本国籍)、FLリーチ マイケル(日本国籍)、WTBレメキ ロマノ ラヴァ(日本国籍)、FBウィリアム・トゥポウ
- 南アフリカ…LOヴィンピー・ファンデルヴァルト、FLピーター・ラブスカフニ、WTB松島幸太朗(日本国籍)
- サモア…CTBラファエレ ティモシー(日本国籍)
- オーストラリア…LOジェームス・ムーア
- 韓国…PR具選手
約半数の選手が外国人選手と聞くと少し違和感を覚えてしまう方もいるでしょう。
サッカーや野球なら日本国籍をもった選手しか国代表になれません。
ただ、ラグビーではそうではありません。
国籍だけが代表資格の条件ではありません。
そのため、日本代表にも多くの外国人選手がいたわけになります。
日本代表だけが外国人選手が多いわけではない
ただ、日本代表だけが特別に外国人選手が多いというわけでもありません。
2015年ワールドカップでは日本代表以上に外国人選手が多い国もありました。
2015年ラグビーワールドカップの各国の外国人選手の内訳
- サモア代表:13人
- ウェールズ代表:12人
- トンガ代表、スコットランド代表:12人
- 日本代表:11人
- フランス代表:10人
- オーストラリア代表:9人
- アイルランド代表:7人
- ニュージーランド代表:6人
- イングランド代表:3人
決められたルールのなかで、各国には多くの外国人選手が代表としてプレーしています。
外国人選手が多い理由は、ラグビーの代表資格が関係
ラグビーでは国籍のほかに、以下の3つの条件(代表資格)のうち1つでも満たせば自身の国籍とは異なる国の代表でもプレーが可能というルールがあります。
そのため日本代表も他国も、多くの外国人選手が国籍のある国以外でもプレーしていたんです。
ラグビーの代表資格
- 出生地がその国であること
- 両親、祖父母のうちひとりがその国の出身であること
- その国で5年以上、継続して居住。または通算10年にわたり居住
参考文献:ワールドラグビー、代表資格改定を発表
ちなみに、「1人の選手は1カ国の代表にしかなれない」という制約もあります。
なぜ、「国籍」以外にも代表になれる条件があるのか?
それはラグビーの歴史が関係しています。
ラグビーは19世紀にイングランドで生まれ、やがて近隣のスコットランド、ウェールズ、アイルランドの4ヵ国でテストマッチが行われるようになった。
これら隣り合う国々では住民の往来が盛んだったうえに、ラグビーが普及していった植民地の間でも人々がひんぱんに行き来していた。国籍を重視しない考えはそんな歴史的背景から生まれてきたものだ。
英国人がかつて統治していた国々に移住し、ラグビー教えるじゃないですか。プレーもしますよね。その国の代表選手になれるよう、そういうルールにしたんです。
「ラグビー発祥の地であるイギリス出身の選手がどの国でも国代表になれるような」ルールにしたためです。
代表資格を国籍ではなく、所属協会基準にすることでラグビーがグローバルなスポーツと発展していった理由とも言えるでしょう。
関連記事:ラグビーの起源は?発祥の地はどこ?ラグビーの歴史について
代表資格は国籍ではなく、所属協会が基準となるためラグビー日本代表にも外国人選手が多くいた
ラグビーの代表資格は国籍だけではありません。
- 出生地がその国であること
- 両親、祖父母のうちひとりがその国の出身であること
- その国で5年以上、継続して居住。または通算10年にわたり居住
これら3つのうち1つでも満たせば国籍が違えどその国の代表になることができます。
このようなラグビーの代表資格には、ラグビー発祥の地であるイギリス出身の選手が「どの国でも国代表になれるように」とラグビーの歴史・文化が大きく関係していました。